2008年03月18日
スタバではグランデを買え!
本書の中心課題のひとつは、
同じモノがちがう価格で売られている理由を探ることです。
じつは、そういった価格差は、すべて「コスト」に着目して説明できます。
また多くの人は、たいていは合理的な行動をしています。
簡単に言えば、自動販売機で150円で買う人は、
そうすると、スーパーの特売で88円で買うよりもコストが節約できるから、
自動販売機で買うのです。
この説明を読んで、「特売日に88円まためて買うのが節約であって、
150円で買うのは節約にならないはずだけど」と疑問に思った人もいるでしょう。
確かに、モノを買うときに支払うおカネは、
消費生活の上でもっと重要なこすとのひとつですが、
私たちは他にもいろいろなコストをかけて買い物をします。
買い物にかかる手間(時間や労力)も、大きなコストになりえます。
たとえば、年配者の人の中には、
ペットボトルのお茶などを絶対に買わない人もいます。
家でお茶を淹れて、
自分で水筒に入れれは、お茶のはと水道水への支払いだけで済みます。
500mlのお茶が数円(せいぜい十数円)の支払いで用意できるのです。
その手間が面倒な人がペットボトルのお茶を買うのであり、
そう考えると、私たちはお茶そのものを買っているというよりは、
「お茶を飲むために必要ないろいろな手間を節約してくれるサービス」
を買っているのです。
(本書「はじめに」 より)
スタバではグランデを買え!
―価格と生活の経済学
吉本 佳生 著
ダイヤモンド社
(2007/9/14)
私たちは良くも悪くも資本経済の中で暮らしています。
お金を稼いだり使ったりしながら生活をしています。
せっかく汗水垂らして稼いだお金ですから、少しでも有効に使おうと、
日々いろいろ工夫している方も多いことでしょう。
そういう私も、モノはなるだけ安く手に入れることに努力を惜しみません。
特売のチラシはもちろんのこと、
インターネットでその価格が適正かどうかなども調べています。
ガソリンも、少しでも安く入れようとスピードパスとシナジーカードを併用することにより、
通常価格より5円安く入れています。
原油高でガソリンの価格も今や150円前後です。
最近は満タンにするたびに6,000円を越えるので、車の利用を控えるようにしています。
「1円でも安く手に入れたい」、
これが私の心境ですが、同意される方もいらっしゃるかと思います。
そもそも私たちは何を基準にモノの価格が高いとか、
安いとかを決めているのでしょうか。
冒頭の(本書「はじめに」 より)にあるペットボトルのお茶も、
スーパーの店内では98円で、特売だと88円、
出入り口にある自動販売機だと150円の価格設定かと思えば、
コンビニエンスストアーだと147円で売られていたりします。
それぞれに需要があるのでその場所で売られているわけですから、
何かしらの理由があるはずです。
また、複雑な料金設定の携帯電話は、
どのプランにしたら一番お得なのかはっきりわかりません。
定価がほとんどオープンプライスになってから久しい家電製品。
取り分け薄型テレビやビデオカメラ、またコンピュータなのどのIT製品は、
新製品が次から次へと出てくるので、何時買うか、どこで買うかなど、
タイミングやショップ選びも難しいです。
同じモノなのになぜこうも価格がちがうのでしょうか。
本書の題名の「スタバではグランデを買え!」ですが、
同じコヒーでも量を多く買うことでお得感があるとのことです。
これと同じことが、ペットボトルの500mlと2リットル入りにも言えます。
同じモノなのに購入量を増やすことで価格的にお得感が出てきます。
こんな価格で果たして利益があるのか。
逆に何でこんなに高い価格設定をしているのか。
考えてみると価格設定とは不思議なところがあります。
この価格設定のからくりを教えてくれるのが本書です。
販売店が発行するポイントカードはポイントという形で、
私たちから店側が借金をしていることになっている。
携帯電話の料金体系が複雑なのはわざとそのようにして、
お得なプランをわかりにくくしている。
モノの値段が高くても買う人には高く、安く買う人には安く売っている。
このような普段私たちが知りえないことも本書は丁寧に教えてくれます。
経済学の本と言うと数字とかがたくさん出てきて分かりづらそうですが、
本書にはそのような数字は出てきません。
普段よくお世話になっていることからのお題なので、
経済学を学んだことのない方にもわかりやすく、面白く読むことができると思います。
以外に知られていない価格設定のからくり。
どのような価格設定にすれば一番利益が上げられるか、
企業が仕掛ける罠やコスト削減の努力が垣間見れる一冊です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
著者紹介
吉本佳生
経済学者(エコノミスト)。
1963年三重県紀伊長島町生まれ。
名古屋市立大学経済学部卒業後、住友銀行勤務を経て、
名古屋市立大学大学院経済学研究科満期退学。
大学や企業研修などで、生活経済学、国際金融論、マクロ経済学、ミクロ経済学、
経済数学、国際経済学、ファイナンス論などの講義・演習を教える経験をもつ。
主な著書に『金融広告を読め』(光文社新書)、『金融工学の悪魔』、
『ニュースと円相場から学ぶ使える経済学』、『The Economisutの記事で学ぶ「国際経済」と「英語」』、『The Economisutの記事で学ぶ「国際金融」と「英語」』(以上、日本評論社)、『金融工学 マネーゲームの悪魔術』、『投資リスクとのつりあい方(上) サイコロで学ぶリスクの計算』、『投資リスクとのつりあい方(下) 紙ヒコーキで学ぶオプション取引』(以上、講談社+α新書』、『「投資リスク」の真実』(PHP研究所』などがある。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
もくじ
第1章 ペットボトルのお茶はコンビにとスーパーのどちらで買うべきか?
第2章 テレビやデジカメの価格がだんだん安くなるのはなぜか?
第3章 大ヒット映画のDVD価格がどんどん下がるのはなぜか?
第4章 携帯電話の料金はなぜ、やたらに複雑なのか?
第5章 スターバックスではどのサイズのコーヒーを買うべきか?
第6章 100円ショップの安さの秘密は何か?
第7章 経済格差が、現実にはなかなか是正できないのはなぜか?
第8章 子供の医療費の無料化は、本当に子育て支援になるか?
最終章 身近な話題のケース・スタディ
おわりに
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
本書の中にも出てきますが、
移動通信事業ではソフトバンクの進出により料金が安くなってきています。
それでも世界的にみるとまだまだ通話料は高いと言われています。
それは携帯電話の本体が通話料に組み込まれているからだそうです。
1台数万円もする本体がほとんどただ同然で手に入るのですから、
本体の価格をどこかで徴収しなければなりません。
また日本製の携帯電話は至れり尽くせりで、
最近は電子マネーの機能まで付いています。
しかしこのことが日本製の携帯電話の世界シェアを落とす原因になっています。
家電製品やコンピュータなどは世界的に日本製がかなりシェアを持っていますが、
携帯電話だけはソニー以外は全滅です。
そのソニーもソニー・エリクソンとしての四位です。
ちなみに世界一位はノキアです。
二位はモトローラ―で、三位が韓国のサムソンとなっています。(ITpro より)
高い技術力を詰め込んだ日本製携帯電話ですが、開発費がかかる割には、
売り先が国内だけという熾烈な争いになっています。
これらの開発費なども最終的には私たち利用者が払うことになるのです。
それでは、今日はこのへんで。
最後までお目を通していただき、ありがとうございます。
---------
2,859歩
同じモノがちがう価格で売られている理由を探ることです。
じつは、そういった価格差は、すべて「コスト」に着目して説明できます。
また多くの人は、たいていは合理的な行動をしています。
簡単に言えば、自動販売機で150円で買う人は、
そうすると、スーパーの特売で88円で買うよりもコストが節約できるから、
自動販売機で買うのです。
この説明を読んで、「特売日に88円まためて買うのが節約であって、
150円で買うのは節約にならないはずだけど」と疑問に思った人もいるでしょう。
確かに、モノを買うときに支払うおカネは、
消費生活の上でもっと重要なこすとのひとつですが、
私たちは他にもいろいろなコストをかけて買い物をします。
買い物にかかる手間(時間や労力)も、大きなコストになりえます。
たとえば、年配者の人の中には、
ペットボトルのお茶などを絶対に買わない人もいます。
家でお茶を淹れて、
自分で水筒に入れれは、お茶のはと水道水への支払いだけで済みます。
500mlのお茶が数円(せいぜい十数円)の支払いで用意できるのです。
その手間が面倒な人がペットボトルのお茶を買うのであり、
そう考えると、私たちはお茶そのものを買っているというよりは、
「お茶を飲むために必要ないろいろな手間を節約してくれるサービス」
を買っているのです。
(本書「はじめに」 より)
スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学
吉本 佳生 著
ダイヤモンド社
(2007/9/14)
私たちは良くも悪くも資本経済の中で暮らしています。
お金を稼いだり使ったりしながら生活をしています。
せっかく汗水垂らして稼いだお金ですから、少しでも有効に使おうと、
日々いろいろ工夫している方も多いことでしょう。
そういう私も、モノはなるだけ安く手に入れることに努力を惜しみません。
特売のチラシはもちろんのこと、
インターネットでその価格が適正かどうかなども調べています。
ガソリンも、少しでも安く入れようとスピードパスとシナジーカードを併用することにより、
通常価格より5円安く入れています。
原油高でガソリンの価格も今や150円前後です。
最近は満タンにするたびに6,000円を越えるので、車の利用を控えるようにしています。
「1円でも安く手に入れたい」、
これが私の心境ですが、同意される方もいらっしゃるかと思います。
そもそも私たちは何を基準にモノの価格が高いとか、
安いとかを決めているのでしょうか。
冒頭の(本書「はじめに」 より)にあるペットボトルのお茶も、
スーパーの店内では98円で、特売だと88円、
出入り口にある自動販売機だと150円の価格設定かと思えば、
コンビニエンスストアーだと147円で売られていたりします。
それぞれに需要があるのでその場所で売られているわけですから、
何かしらの理由があるはずです。
また、複雑な料金設定の携帯電話は、
どのプランにしたら一番お得なのかはっきりわかりません。
定価がほとんどオープンプライスになってから久しい家電製品。
取り分け薄型テレビやビデオカメラ、またコンピュータなのどのIT製品は、
新製品が次から次へと出てくるので、何時買うか、どこで買うかなど、
タイミングやショップ選びも難しいです。
同じモノなのになぜこうも価格がちがうのでしょうか。
本書の題名の「スタバではグランデを買え!」ですが、
同じコヒーでも量を多く買うことでお得感があるとのことです。
これと同じことが、ペットボトルの500mlと2リットル入りにも言えます。
同じモノなのに購入量を増やすことで価格的にお得感が出てきます。
こんな価格で果たして利益があるのか。
逆に何でこんなに高い価格設定をしているのか。
考えてみると価格設定とは不思議なところがあります。
この価格設定のからくりを教えてくれるのが本書です。
販売店が発行するポイントカードはポイントという形で、
私たちから店側が借金をしていることになっている。
携帯電話の料金体系が複雑なのはわざとそのようにして、
お得なプランをわかりにくくしている。
モノの値段が高くても買う人には高く、安く買う人には安く売っている。
このような普段私たちが知りえないことも本書は丁寧に教えてくれます。
経済学の本と言うと数字とかがたくさん出てきて分かりづらそうですが、
本書にはそのような数字は出てきません。
普段よくお世話になっていることからのお題なので、
経済学を学んだことのない方にもわかりやすく、面白く読むことができると思います。
以外に知られていない価格設定のからくり。
どのような価格設定にすれば一番利益が上げられるか、
企業が仕掛ける罠やコスト削減の努力が垣間見れる一冊です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
著者紹介
吉本佳生
経済学者(エコノミスト)。
1963年三重県紀伊長島町生まれ。
名古屋市立大学経済学部卒業後、住友銀行勤務を経て、
名古屋市立大学大学院経済学研究科満期退学。
大学や企業研修などで、生活経済学、国際金融論、マクロ経済学、ミクロ経済学、
経済数学、国際経済学、ファイナンス論などの講義・演習を教える経験をもつ。
主な著書に『金融広告を読め』(光文社新書)、『金融工学の悪魔』、
『ニュースと円相場から学ぶ使える経済学』、『The Economisutの記事で学ぶ「国際経済」と「英語」』、『The Economisutの記事で学ぶ「国際金融」と「英語」』(以上、日本評論社)、『金融工学 マネーゲームの悪魔術』、『投資リスクとのつりあい方(上) サイコロで学ぶリスクの計算』、『投資リスクとのつりあい方(下) 紙ヒコーキで学ぶオプション取引』(以上、講談社+α新書』、『「投資リスク」の真実』(PHP研究所』などがある。
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もくじ
第1章 ペットボトルのお茶はコンビにとスーパーのどちらで買うべきか?
第2章 テレビやデジカメの価格がだんだん安くなるのはなぜか?
第3章 大ヒット映画のDVD価格がどんどん下がるのはなぜか?
第4章 携帯電話の料金はなぜ、やたらに複雑なのか?
第5章 スターバックスではどのサイズのコーヒーを買うべきか?
第6章 100円ショップの安さの秘密は何か?
第7章 経済格差が、現実にはなかなか是正できないのはなぜか?
第8章 子供の医療費の無料化は、本当に子育て支援になるか?
最終章 身近な話題のケース・スタディ
おわりに
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
本書の中にも出てきますが、
移動通信事業ではソフトバンクの進出により料金が安くなってきています。
それでも世界的にみるとまだまだ通話料は高いと言われています。
それは携帯電話の本体が通話料に組み込まれているからだそうです。
1台数万円もする本体がほとんどただ同然で手に入るのですから、
本体の価格をどこかで徴収しなければなりません。
また日本製の携帯電話は至れり尽くせりで、
最近は電子マネーの機能まで付いています。
しかしこのことが日本製の携帯電話の世界シェアを落とす原因になっています。
家電製品やコンピュータなどは世界的に日本製がかなりシェアを持っていますが、
携帯電話だけはソニー以外は全滅です。
そのソニーもソニー・エリクソンとしての四位です。
ちなみに世界一位はノキアです。
二位はモトローラ―で、三位が韓国のサムソンとなっています。(ITpro より)
高い技術力を詰め込んだ日本製携帯電話ですが、開発費がかかる割には、
売り先が国内だけという熾烈な争いになっています。
これらの開発費なども最終的には私たち利用者が払うことになるのです。
それでは、今日はこのへんで。
最後までお目を通していただき、ありがとうございます。
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1. 顔ちぇき 木村 [ 顔ちぇき!誰に似ているのかな? ] 2008年03月19日 10:28
顔ちぇき!の関連情報
この記事へのコメント
1. Posted by
本宮とが
2008年03月19日 05:42
つぶ庵さん、おはようございます。
この先生のPodcastを大変興味深く聴いたのを
覚えています。
経済関係の書物はやたら数字が出てきて
数字音痴の私が敬遠しがちになるのですが
その先生のお話はそんなこともなく
とてもわかりやすい比喩で経済メカニズムを
解説してくれていました。
忘れていた話もありましたので
私もBOで見つけたら読んでみようと思います。
詳細なレビューありがとうございました!
この先生のPodcastを大変興味深く聴いたのを
覚えています。
経済関係の書物はやたら数字が出てきて
数字音痴の私が敬遠しがちになるのですが
その先生のお話はそんなこともなく
とてもわかりやすい比喩で経済メカニズムを
解説してくれていました。
忘れていた話もありましたので
私もBOで見つけたら読んでみようと思います。
詳細なレビューありがとうございました!
2. Posted by
つぶ庵
2008年03月21日 05:33
とがさん、コメントありがとうございます。
>この先生のPodcastを大変興味深く聴いたのを
>覚えています。
私も聞きました。
その話で本書の内容は大体話されていました。
本書はその内容プラスαと言ったところです。
お話が分かりやすかったように、本書も分かりやすく書かれてましたよ。
>私もBOで見つけたら読んでみようと思います。
私もBOで探していたんですけれど、なかなか出て来ないので、
書店で購入してしまいました。
>この先生のPodcastを大変興味深く聴いたのを
>覚えています。
私も聞きました。
その話で本書の内容は大体話されていました。
本書はその内容プラスαと言ったところです。
お話が分かりやすかったように、本書も分かりやすく書かれてましたよ。
>私もBOで見つけたら読んでみようと思います。
私もBOで探していたんですけれど、なかなか出て来ないので、
書店で購入してしまいました。












