2007年02月20日
ひまわりのかっちゃん
ボクはテレビやラジオの台本、あるいは漫画の原作や小説を書いて暮らしている。
といっても、地味で目立たない仕事ばかりやっているので、
僕の名前を知っている人はあまりいないと思う。
それでも自ら好きで選んだこの仕事に就けたことの幸運に感謝し、
ボクなりの誇りも持っているつもりなのだが、
自分にものを書く才能があると思えたことは一度もなく、
いつも書くことのむずかしさとたいへんさに悩み苦しんでばかりいる。
締め切りが迫ってきても、いいアイディアがまるで浮かばないときなどは、
いっそうどこかへ逃げてしまいたいと思ったことも数知れない。
そんなとき、ボクはいつも小学校五年生の春休みに出会った恩師のことを思い出す。
ボクにとって、その先生との出会いは、本当に奇跡のようなものだった。
あれからもうずいぶん長い歳月がたっているけれど、
ボクは今もあの先生と過ごしたあの春休みの二週間の一日一日の出来事、
そのときの空気の匂いや小さな風景、感じたこと、
思ったことをついこのあいだのことのように鮮明に思い出すことができる。
(本書「はじめに」 より)

ひまわりのかっちゃん
書誌データ / 書評を書く

久しぶりに感動の涙を流しました。
こういう涙はいいものです。
しばし、その余韻に酔いしれています。
私は、すごく感動した本、心に響いた本は必ずそのあともう一度読み直します。
なぜならその感動を強く胸に残し、またその余韻を長く味わいたいからです。
本書も二度読みをしてしまいました。
でも、このような本にはそうそう巡り合うわけではありません。
半年で数冊あるか無いかです。
最近では、もう半年以上前になりますが、「鏡の法則」がそうでした。
単純に比較はできませんが「感動」という点で見ますと、両者いい勝負です。
本書の著者西川つかさ氏は、大学中退後、
ニッポン放送「夜のドラマハウス」の脚本公募で入選し、脚本家デビューを果たします。
以後、脚本構成や、漫画原作、小説などあらゆる分野で執筆、活躍されている方です。
そんな著者は、小学5年生になるまで足し算はおろか、ひらがなもまともに書けず、
「ひまわり学級」にいたというから驚きです。
しかし小学五年生になる春休み、転校をきっかけに森田先生と出会ったことにより、
勉強に目覚め、その実力がメキメキと発揮されていくのです。
本書はそんな著者、西川氏の回想録が小説仕立てになっていて、
西川司 (著者本名) こと「かっちゃん」が自分の殻を破るまでが書かれています。
かっちゃんが主体である文章は、テンポよく話が進み、その描写は見事なものです。
著者と私と年代が近いこともあり、かっちゃんの目を通して見た世界が、
私の目の前で繰り広げられているかのように感じられ、
本を読んでいるという意識が無くなっていきました。
子供の頃の遊びや事件、そして初恋に至るまで自分と重ねながら読んでしまい、
いつの間にか、かっちゃんが自分の一部のように感じられ応援しているのです。
本書を大きく分けるなら、前半として「ひまわり学級のときのかっちゃん」と、
後半として「森田先生との出会い後のかっちゃん」になると思います。
特に後半は森田先生の素晴らしい教育方針のもと、かっちゃんの実力が開花し、
その成長ぶりに目が離せなくなります。
そして、かっちゃんの初恋や嫉妬、諦め、目覚めなどが、私の心に描くものと一体になり、
クライマックスへと突入していったのです。
最後の数ページはかっちゃんの言う「あったかい涙」があふれてしまい、
文字がかすんで読み進めることが困難になりました。
卒業式、かっちゃんが答辞の途中で自分の思いを語り始めそれを言い終えると、
会場からの割れんばかりの拍手が起こります。
私の頭の中でその拍手の音がいつまでも鳴り響き、やむことがありませんでした。
本書を読み終えると、しばしその余韻に浸り、また最初から読み返したのでした。
本書は絶対に通勤時の電車や、医院の待合室など人のいるところでは読まないでください。
きっと後悔します。
今回の
ひまわりのかっちゃん
は「本が好き!」プロジェクトで献本を受けたもので、
サイトの書籍詳細を読み直感的に「これは読むべし」と思い申請したました。
本書の文章は軽快で大変読みやすく、時がたつのを忘れ読みふけることができます。
そしてその内容は期待していた以上のもので、涙しながら最後のページをめくっていました。
また、現在の教育の問題点とその在り方を考えさせられると共に、
人は本気でやれば不可能なことが無いということを地で教えてくれる書です。
そして、多大なる感動を与えてくれること間違いなしです。
星を付けるとしたらば、文句なしの5つ星でしょう。
全ての方に読んでいただきたい一冊です。
ほとんどの漢字に振り仮名があるので、小学校5,6年生でも読むことができます。
私は小6の娘にも勧めてみるつもりです。
それでは、今日はこのへんで。
最後までお目を通していただき、ありがとうございます。
---------
2,484歩
今日のおすすめ本

ひまわりのかっちゃん
書誌データ / 書評を書く


といっても、地味で目立たない仕事ばかりやっているので、
僕の名前を知っている人はあまりいないと思う。
それでも自ら好きで選んだこの仕事に就けたことの幸運に感謝し、
ボクなりの誇りも持っているつもりなのだが、
自分にものを書く才能があると思えたことは一度もなく、
いつも書くことのむずかしさとたいへんさに悩み苦しんでばかりいる。
締め切りが迫ってきても、いいアイディアがまるで浮かばないときなどは、
いっそうどこかへ逃げてしまいたいと思ったことも数知れない。
そんなとき、ボクはいつも小学校五年生の春休みに出会った恩師のことを思い出す。
ボクにとって、その先生との出会いは、本当に奇跡のようなものだった。
あれからもうずいぶん長い歳月がたっているけれど、
ボクは今もあの先生と過ごしたあの春休みの二週間の一日一日の出来事、
そのときの空気の匂いや小さな風景、感じたこと、
思ったことをついこのあいだのことのように鮮明に思い出すことができる。
(本書「はじめに」 より)

ひまわりのかっちゃん
- 著:西川つかさ
- 出版社:講談社
- 定価:1365円
書誌データ / 書評を書く

久しぶりに感動の涙を流しました。
こういう涙はいいものです。
しばし、その余韻に酔いしれています。
私は、すごく感動した本、心に響いた本は必ずそのあともう一度読み直します。
なぜならその感動を強く胸に残し、またその余韻を長く味わいたいからです。
本書も二度読みをしてしまいました。
でも、このような本にはそうそう巡り合うわけではありません。
半年で数冊あるか無いかです。
最近では、もう半年以上前になりますが、「鏡の法則」がそうでした。
単純に比較はできませんが「感動」という点で見ますと、両者いい勝負です。
本書の著者西川つかさ氏は、大学中退後、
ニッポン放送「夜のドラマハウス」の脚本公募で入選し、脚本家デビューを果たします。
以後、脚本構成や、漫画原作、小説などあらゆる分野で執筆、活躍されている方です。
そんな著者は、小学5年生になるまで足し算はおろか、ひらがなもまともに書けず、
「ひまわり学級」にいたというから驚きです。
しかし小学五年生になる春休み、転校をきっかけに森田先生と出会ったことにより、
勉強に目覚め、その実力がメキメキと発揮されていくのです。
本書はそんな著者、西川氏の回想録が小説仕立てになっていて、
西川司 (著者本名) こと「かっちゃん」が自分の殻を破るまでが書かれています。
かっちゃんが主体である文章は、テンポよく話が進み、その描写は見事なものです。
著者と私と年代が近いこともあり、かっちゃんの目を通して見た世界が、
私の目の前で繰り広げられているかのように感じられ、
本を読んでいるという意識が無くなっていきました。
子供の頃の遊びや事件、そして初恋に至るまで自分と重ねながら読んでしまい、
いつの間にか、かっちゃんが自分の一部のように感じられ応援しているのです。
本書を大きく分けるなら、前半として「ひまわり学級のときのかっちゃん」と、
後半として「森田先生との出会い後のかっちゃん」になると思います。
特に後半は森田先生の素晴らしい教育方針のもと、かっちゃんの実力が開花し、
その成長ぶりに目が離せなくなります。
そして、かっちゃんの初恋や嫉妬、諦め、目覚めなどが、私の心に描くものと一体になり、
クライマックスへと突入していったのです。
最後の数ページはかっちゃんの言う「あったかい涙」があふれてしまい、
文字がかすんで読み進めることが困難になりました。
卒業式、かっちゃんが答辞の途中で自分の思いを語り始めそれを言い終えると、
会場からの割れんばかりの拍手が起こります。
私の頭の中でその拍手の音がいつまでも鳴り響き、やむことがありませんでした。
本書を読み終えると、しばしその余韻に浸り、また最初から読み返したのでした。
本書は絶対に通勤時の電車や、医院の待合室など人のいるところでは読まないでください。
きっと後悔します。
今回の
ひまわりのかっちゃん
は「本が好き!」プロジェクトで献本を受けたもので、
サイトの書籍詳細を読み直感的に「これは読むべし」と思い申請したました。
本書の文章は軽快で大変読みやすく、時がたつのを忘れ読みふけることができます。
そしてその内容は期待していた以上のもので、涙しながら最後のページをめくっていました。
また、現在の教育の問題点とその在り方を考えさせられると共に、
人は本気でやれば不可能なことが無いということを地で教えてくれる書です。
そして、多大なる感動を与えてくれること間違いなしです。
星を付けるとしたらば、文句なしの5つ星でしょう。
全ての方に読んでいただきたい一冊です。
ほとんどの漢字に振り仮名があるので、小学校5,6年生でも読むことができます。
私は小6の娘にも勧めてみるつもりです。
それでは、今日はこのへんで。
最後までお目を通していただき、ありがとうございます。
---------
2,484歩
今日のおすすめ本

ひまわりのかっちゃん
- 著:西川つかさ
- 出版社:講談社
- 定価:1365円
書誌データ / 書評を書く

トラックバックURL
この記事へのコメント
1. Posted by 本宮とが 2007年02月21日 06:01
つぶ庵さん、おはようございます。
こういう本を探していたんです!!
こういう感動できる本を。
次回配本があった際には
ぜひゲットしたいと思います。(^∀^*)
こういう本を探していたんです!!
こういう感動できる本を。
次回配本があった際には
ぜひゲットしたいと思います。(^∀^*)
2. Posted by つぶ庵 2007年02月21日 19:30
とがさん、コメントありがとうございます。
今回の本は、久し振りの満塁ホームランでした。
今のところ、本プロで私が読んだ中のダントツ一位でしょう。
>ぜひゲットしたいと思います。(^∀^*)
今までの様子からしますと、次回献本もあると思います。
私は今まで、それで良書を拾ってきました。
次の私の本プロは、とがさん一押しの、
「ウィーンわが夢の町」です。
でもその前に一息入れます。
今回の本は、久し振りの満塁ホームランでした。
今のところ、本プロで私が読んだ中のダントツ一位でしょう。
>ぜひゲットしたいと思います。(^∀^*)
今までの様子からしますと、次回献本もあると思います。
私は今まで、それで良書を拾ってきました。
次の私の本プロは、とがさん一押しの、
「ウィーンわが夢の町」です。
でもその前に一息入れます。
3. Posted by ケインくん 2007年02月23日 10:14
つぶ庵さんのコメントからして非常にいい作品なんだ
と伝わってきます。 ぜひ一度読んでみたいと思います。
かっちゃんの少年期が書かれているのでしょうか?
続編がでそうですか?
鏡の法則も読んでいないので読もうと思います。
と伝わってきます。 ぜひ一度読んでみたいと思います。
かっちゃんの少年期が書かれているのでしょうか?
続編がでそうですか?
鏡の法則も読んでいないので読もうと思います。
4. Posted by つぶ庵 2007年02月24日 05:50
ケインくん、コメントありがとうございます。
>ぜひ一度読んでみたいと思います。
ぜひとも読んでみてください。
感動すること間違いなしです。
>かっちゃんの少年期が書かれているのでしょうか?
その通りです。
>続編がでそうですか?
出ないと思います。
も出ても、本書以上に感動をよぶことはできないと思います。
>鏡の法則も読んでいないので読もうと思います。
「鏡の法則」は100万部を超したそうです。
>ぜひ一度読んでみたいと思います。
ぜひとも読んでみてください。
感動すること間違いなしです。
>かっちゃんの少年期が書かれているのでしょうか?
その通りです。
>続編がでそうですか?
出ないと思います。
も出ても、本書以上に感動をよぶことはできないと思います。
>鏡の法則も読んでいないので読もうと思います。
「鏡の法則」は100万部を超したそうです。
5. Posted by Gori 2007年03月18日 21:24
書評を拝見して、手にしました。
気が付いたら私も、かっちゃんと森田先生を必死で応援している自分に気が付きました。 そして、やっぱり私も小5の娘に読ませたい!と思いました。 いい本です。
気が付いたら私も、かっちゃんと森田先生を必死で応援している自分に気が付きました。 そして、やっぱり私も小5の娘に読ませたい!と思いました。 いい本です。
6. Posted by つぶ庵 2007年03月19日 20:30
Gori さん、コメントありがとうございます。
>書評を拝見して、手にしました。
私の拙い書評でお手にしていただいなんて、
なんてうれしいお言葉でしょう。
ありがとうございます。
Gori さんの書評も拝見させていただきました。
とても素晴らしいしい書評で、
「本が好き!」プロで紹介されないのが残念ですね。
>書評を拝見して、手にしました。
私の拙い書評でお手にしていただいなんて、
なんてうれしいお言葉でしょう。
ありがとうございます。
Gori さんの書評も拝見させていただきました。
とても素晴らしいしい書評で、
「本が好き!」プロで紹介されないのが残念ですね。












